【後編】ワクセル総合プロデューサー住谷知厚が語る聴衆を惹きつける究極のMC術

「あなたは会場の”空気”という台本を読めていますか?」

仕事

連載

住谷知厚の極意

連載へ


皆様、お待たせしました!
住谷さんが各イベントでのMCを通じて培ってきた“MC術”についてのインタビュー記事、いよいよ後編です。
前編をまだお読みでない方はこちらからぜひご覧ください♪
↓↓↓
【前編】ワクセル総合プロデューサー住谷知厚が語る聴衆を惹きつける究極のMC術

今回の後編では、「ゲストとのやり取り」「会場の盛り上げ方」「想定外の展開への対処」「MCとしてのマインド」など、裏側まで深掘りした内容になっています。

イベントで司会進行をする方、話し手として登壇する方、プレゼンや営業の場がある方にも学びになる内容なので、ぜひ最後までお楽しみください。

台本より“空気”を信じる

松村

松村

イベントって、進行の時間管理も難しいですよね。やっぱり事前に細かい台本とか作っているんですか?

住谷知厚

住谷知厚

昔はね、セリフまでガチガチに作ってたよ(笑)。でも今は、ざっくり質問を5つくらい決めておいて、あとは“会場の空気に任せる”ことが多いかな。会場って生き物みたいなもので、「今日は登壇者がノってるから深掘りしたほうがいいな」「質問じゃなくて体験談を引き出すほうが盛り上がるな」とかが、空気で分かるんだよね。

松村

松村

会場の空気を読むって、そんなに言語化できるものなんですね。

住谷知厚

住谷知厚

うん。たとえばゲストの話が長くなりそうなときは例え話を挟んでテンポ変えたり、3分に1回は笑いを入れたりしてるよ。
「笑い」って真面目な話をより引き立てるスパイスなんだよね。笑いが入ると、次の感動ポイントや深い話がさらに刺さるようになる。あと拍手も“自分から作る”ようにしてるね。会場の空気が「拍手していいの?」「いつが区切り?」って迷ってるときは僕が率先してリードしてあげると会場の雰囲気って、ガラッと変わるんだよ。

松村

松村

確かに、住谷さんのMCは“場が温まってる”って感じがします。

住谷知厚

住谷知厚

MCって、“自分から動く人”が向いてると思うんだ。待つんじゃなくて、「相手にとって良いと思うことを先にやる」。ゲストの安心感、会場の盛り上がりは自分が変えられるんだよ。

難しい場面こそ、逃げずに前へ

松村

松村

想定外の展開になったときってどうしてるんです?生配信のイベントとか特に戻しづらそうですけど…。

住谷知厚

住谷知厚

あぁ、それはしょっちゅうあるよ(笑)。でもね、意図と違う答えが返ってきても、無理に戻したりはしないね。ゲストだって想いがあって話してくれてるわけだから、そこでグッと軌道修正すると逆に盛り下がっちゃう。自然に話をつないで、あとで別の質問やまとめで回収すれば十分。会話って“生き物”なんだよ。コントロールしすぎると躍動感がなくなるし、放置しすぎても暴れて場が散らかっちゃう。丁度いい間とか距離感を探し続けるのがMCなんだと思うな。

松村

松村

なるほど、試合中のスポーツ選手みたいですね。

住谷知厚

住谷知厚

そうそう、まさにそれ!MCは司令塔みたいな立ち位置だけど、独りよがりになったら終わり。全員の気持ちと流れを汲んで「次の最適なパス」を出すだけなんだよね。あとね、年齢や立場で態度を変えないっていうのは学生時代からのこだわりでね。相手が年上でも年下でも、“対等に向き合う”ほうが本音が出るし会場にもその想いがよく伝わるんだよね。観客ってすごく敏感だからさ、 “どんな気持ちで MC をしてるか”は全部見られてると思っていつでも真剣勝負で挑んでるよ。

とにかく学び続けるMC

松村

松村

MC力を上げるために勉強していることってあります?

住谷知厚

住谷知厚

昔は『アメトーーク』のDVDを何度も見てたよ。雨上がり決死隊さんの「間の取り方」「リアクション」「話の回収の仕方」がめちゃくちゃ勉強になったな。今でも作業してるときに芸人さんのラジオや動画をBGMみたいに流し聞きしてるんだけど、笑いって“瞬発的なコミュニケーションの完成形”なんだよね。だからお笑いから学べることは瞬発力の必要なMCにもめちゃくちゃ役に立つことが多いんだよね。

松村

松村

「好きこそものの上手なれ」という言葉が本当にしっくりきます。

住谷知厚

住谷知厚

うん。MCって正解がないからこそ、常に学べる仕事なんだよ。それがまた楽しいんだよね。

MCのゴールは「みんなが満足する場作り」

松村

松村

住谷さんにとって、MCの“成功”って何ですか?

住谷知厚

住谷知厚

それはもう、「全員が満足する場作り」だね。ゲストが気持ちよく話せて、観客が満足して、また来たいと思ってくれること。みんなお金と時間を使って来てくれてるわけだから、「今日来てよかった」「次も参加したい」って思ってもらえるのがいちばんの成果じゃないかな。MCってイベントの主役じゃないんだよね。裏で空気を整えて、全員でひとつの作品を作る。その“黒子的存在”がMCの醍醐味なんだよね。

松村

松村

本当に“場づくりの職人”って感じですね。

住谷知厚

住谷知厚

いやいや(笑)。まだまだ僕も勉強中だよ。MCって、やればやるほど奥が深いわ。でもね、ずっと学び続けられるって最高に幸せなことだと思うんだ。

読者へのメッセージ

松村

松村

最後に、MCをしてみたい・話す仕事に挑戦してみたいという人に一言いただけますか?

住谷知厚

住谷知厚

MCって、特別な才能が必要な仕事じゃない。大事なのは「相手を大切にする気持ち」「会場に来てくれた人を喜ばせたい気持ち」、それだけあれば絶対伸びていくと思うよ。MCってぶっちゃけ誰にでもできるんだけど、誰よりも“想いを持ち続けた人だけが辿り着ける場所”でもあると僕は思うな。僕だってまだまだこれから!一緒に成長していきましょう。

松村

松村

本日はありがとうございました!

住谷知厚

住谷知厚

こちらこそ、ありがとう。また語ろうね。

〈取材・文=松村/撮影=松村〉