【前編】ワクセル総合プロデューサー住谷知厚が語る聴衆を惹きつける究極のMC術

「会場と心でキャッチボールをするのが、本当の進行」

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住谷知厚の極意

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住谷さんへのインタビューシリーズ第18回!
前回は「人生の勝負飯」についてお伺いしましたので、まだご覧になっていない方はぜひこちらからどうぞ。
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ワクセル総合プロデューサー住谷知厚が語る人生と食のストーリー

今回は住谷さんが各イベントでのMCを通じて培ってきた「MC術」をテーマにたくさんお話を聞いてきました。各業界の著名人を相手にMCとして司会・進行してきた濃厚な経験トークは必見です!

しかも!今回はインタビューシリーズ初となる前後編に分けての掲載となります。前編は住谷さんがイベントの司会、進行をされる際に意識されていることにフォーカスを当てた内容になっていますので、お楽しみください。

名MCの道も小さな一歩から

松村

松村

今回は「MC術」についてお伺いしたいと思います!住谷さんはイベントのMCや対談の進行でも抜群の安定感がありますが、どのように身につけたんですか?

住谷知厚

住谷知厚

ありがとう(笑)。でもね、最初から上手くできたわけじゃないんだよ。MCって、実は“話す技術”よりも“場の空気を作る技術”が一番大事なんだよね。だから僕は、まず会場にいる人たちの“聴く姿勢”を整えるところから始めてるよ。

松村

松村

最初の空気づくり、確かに住谷さんのMCはあたたかい空気になりますよね。

住谷知厚

住谷知厚

うん。最初の数分で空気を掴めるかどうかで全体の流れが変わるんだよね。だから、アイスブレイクで全員が分かるような話題を出して、ちょっと笑ってもらうように意識してるかな。笑いって、会場の空気を一気にひとつにする力があるんだよね。

「元気に明るく」が最初の準備

松村

松村

本番前はどんな準備をしてるんですか?

住谷知厚

住谷知厚

まずはね、とにかく“元気に明るく!”って気持ちを作ることは意識をしてるね。MCって、自分のテンションがそのまま会場の温度になるから、まずは自分が明るくいることが一番の準備かな。あとは…緊張する人には裏ワザ的な話なんだけど(笑)、軽くお酒を飲んで気分を高めるのもアリ。ただし、顔に出ない人限定だけどね。

松村

松村

たしかに(笑)。でも原稿をきっちり準備する方も多いですよね?

住谷知厚

住谷知厚

うん、原稿を用意するのはめっちゃ大事!でも、それに縛られすぎると“原稿と一緒にしゃべってる”状態になるのはいただけないかな。本当は“会場と一緒に話す”ことが大事なんだよね。原稿はあくまで「流れの地図」。そこに書いてある通りに進む必要はないし、現場で生まれる空気の方がずっと価値があると僕は思うな。

「会場とキャッチボール」こそMCの醍醐味

松村

松村

実際にMC中に意識していることはありますか?

住谷知厚

住谷知厚

めちゃくちゃあるよ〜(笑)。まず一番意識してるのは“会場とのキャッチボール”。たとえば30人くらいのイベントなら、ちょっと反応がいい人を見つけて、その人を起点に笑いを作ったりしてるね。1000人規模になると、会場の後ろの方にも意識を向けて「後方のみなさんも元気ですかー?」って声をかけるじゃない、そうすると会場全体がグッと一体になるんだよね。

松村

松村

なるほど、声の掛け方ひとつで空気が変わるんですね。

住谷知厚

住谷知厚

そう。あとはね、ゲストの人が話しやすい空気を作るのもMCの大事な役割かな。会場に話を振って「次は自分に当たるかも?」と思ってもらうと、みんなが集中してくれるし、それが結果的に、ゲストの話にも“聴く空気”を生むんだよね。

ゲストを理解し、表情で空気を読む

松村

松村

ゲストとの対談中に意識していることはありますか?

住谷知厚

住谷知厚

まず、前日までにゲストの情報をしっかりインプットしておくことは実践してるね。出版物があれば読むし、YouTubeチャンネルがあれば全部見る。どんな人かを理解しておかないと、良い質問って出てこないからね。それと、対談中はゲストの“表情”をよく見るようにしてるかな。今どの話題にゲストの熱が入ってるのかを感じ取って、そこをさらに深掘りするとさらに面白い話が聞けることが多いんだよね。ただ、重たくならないように、ところどころで笑いを入れてバランスを取るようにしてるかな。

松村

松村

観客の表情もよく見てますよね。

住谷知厚

住谷知厚

そうそう。会場が置いてけぼりになってる空気はすぐ分かるのよ。そういう時は、自分が「ちょっと難しいですね〜」みたいな表情をすると、会場が笑ってくれるし、自分を笑いのきっかけにすることで、流れを切らずに空気を柔らかくできるんだよね。

前編はここまで!
気になる後編も近日公開いたしますので、それまで楽しみにしてお待ちいただければと思います。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

〈取材・文=松村/撮影=松村〉