ワクセル総合プロデューサー住谷知厚の教育の理想について

「“平均”を目指すのではなく、個性を”特化”する時代へ」

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住谷知厚の極意

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シリーズ第12回となる今回のインタビューでは、教育分野での活動や思考に熱い想いを持つ住谷知厚さんに、「これからの教育の在り方」について深く語っていただきました。
前回は「友情の極意」について伺いましたので、興味のある方は是非そちらも読んでいただければ幸いです。

(前回のインタビューに関する記事はこちら)
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ワクセル総合プロデューサー住谷知厚が語る友情の極意

「教育は人間関係である」と語る住谷さん。
その背景には、彼自身の実体験に裏打ちされた信念と、未来の社会を見据えたビジョンがありました。

教育は「人間関係」であり、教科書からは生まれない

松村

松村

今回のテーマは「教育」です!住谷さんと以前お話した時に「教育=人間関係」とおっしゃっていたことが印象に残っているのですが、それはどういう意味なのでしょうか?

住谷知厚

住谷知厚

そんな話もしたね!僕はね、一方的に「教える」「教えられる」っていう関係では、教育って成立しないと思ってるんだよね。大切なのは、信頼関係と“立ち位置・距離感”。つまり、「この人の言うことなら聞いてみよう」と思える関係ができてるかどうかなんだよ。

松村

松村

なるほど、まさに“人と人”の関係性なんですね。

住谷知厚

住谷知厚

うん。例えば「友情」って、誰かに教えてもらって身につくものじゃないよね。体験の中で、相手との信頼が育って自然とできていくもの。それと同じで、教育の本質も「人間同士の関係性」からしか生まれないんだよ。

実体験からしか学べないことがある

松村

松村

住谷さんご自身も、教育に目覚めたきっかけがあるとお聞きしました。

住谷知厚

住谷知厚

きっかけとしては些細なものなんだけど、高校3年のときに数学の成績が学年トップになってね。放課後、友達に教えてたんだけど、「わかった!」って喜んでくれる顔がうれしくてさ。人に教えることで自分も成長できるってことに気づいた瞬間だったな。

松村

松村

それは素敵な体験ですね。

住谷知厚

住谷知厚

あとは小さい時に公文式に通っていた影響もあって幼い頃から毎日計算の練習をしてたから、暗算は得意だったんだよね。でも、大学時代にインドへ交換留学に行ったとき、現地の子どもたちが路上で暗算で遊んでいる姿を見たんだけど、その計算スピードがめちゃくちゃ速くて、正直衝撃だった。その時に「世界は広い」「もっと学ばなきゃ」って本気で思ったよ。

松村

松村

教育って、“驚き”や“悔しさ”も原動力になりますよね。

住谷知厚

住谷知厚

そうそう。頭で学ぶより、体験で感じることが圧倒的に強い。だからこそ、これからの教育は“実体験”がベースになると思うんだよね。

「平均を目指す教育」から「個性を伸ばす教育」へ

松村

松村

現在の日本の教育について、どのように感じていますか?

住谷知厚

住谷知厚

日本の教育も素晴らしいと思うけど、“できていないこと”に少しフォーカスがあたり過ぎな印象はあるかな。たとえば通知表をベースに国語が5で数学が2だと、「なんで数学ができないの?」ってなる。でも僕は「国語が得意なんだから、そこを伸ばしていこう!」って声をかけたいと思うんだよね。

松村

松村

正直、まだまだ比較する文化がある感じはしますね。

住谷知厚

住谷知厚

他の国の教育は子どもが興味を持ったことにどんどん特化させていく教育方針を取ってる国もあるし、そうすることで得意分野を伸ばし自己肯定感を上げていくと、結果として社会の中での役割を見つける力も養われて素晴らしい人材が育っていくんじゃないかな。

松村

松村

たしかに、今の時代は「平均的であること」にそこまで価値は感じられないですよね。

住谷知厚

住谷知厚

むしろ、尖ってることのほうが武器になるからね。みんなが同じようにできることを目指すより、「自分にしかできないこと」を探せる教育が必要だと思う。

これからの教育に必要な二本柱「社会性」「実用性」

松村

松村

一方で、「社会性」も教育には必要不可欠な要素ですよね?

住谷知厚

住谷知厚

その通り。特化ばかりしても、周囲と協調できなければ社会では生きていけない。だからこそ、学校や地域の中で「人と関わる経験」「空気を読む感覚」も育てていく必要がある。

松村

松村

確かに、バランスが大切ですね。

住谷知厚

住谷知厚

あともう一つは「実用性」。たとえば、“お金の知識”って本当に大事なのに、学校ではほとんど教えてくれない。税金の仕組みや資産形成、仕事と報酬の関係──そういった“生きていく力”をもっと教えるべきだと思うんだよね。

松村

松村

お金の教育って、まだまだタブー感がありますよね。

住谷知厚

住谷知厚

でも実際、社会に出たら“わかってて当たり前”の知識でしょ?先生もよくわかっていないから教えられないこともある。だから教育のアップデートは、大人自身にも求められてると思う。

ワクセルは“人生成功学校”を目指している

松村

松村

住谷さんが総合プロデューサーを務める「ワクセル」では、教育的な活動も多くされていますよね。

住谷知厚

住谷知厚

ワクセルは、夢を持つ人を全力で応援する場にしたいと思ってる。自分の人生にとっての成功が何かみんなで語り学び合える「人生成功学校」のような場所を作ることが僕の夢でもあるからね。勉強ができるとか、いい会社に入るとかじゃなくて、「自分の人生を、自分で選べるようになること」が“成功”だと思ってるから。

松村

松村

素晴らしいコンセプトです。

住谷知厚

住谷知厚

僕は、「夢を見つけた人が輝ける社会」を創りたい。そのためには、一人でも多くの人が“誰かの夢を応援する人”になってほしいと思う。教育もまた、そのきっかけになると信じてる。

〈取材・文=松村/撮影=松村〉